導入事例

融資クラウドプラットフォーム 島根銀行 様

島根銀行 様

 

既に導入している金融機関から、導入経緯や運用後の状況などをヒアリングできたことで、当行の取り組み方針の判断ができました。

 

島根銀行

次世代バンキングシステム構築プロジェクト推進室 副室長 清水一哉様

 

島根銀行は2024年で設立109年を迎え、地元では「しまぎん」の愛称で親しまれています。同行では自行のDX化を推進するだけでなく、お客様のDX化についても提案・支援しています。自行のDX化の一環として、住宅ローンとプロパーの証書貸付の電子契約化を進めるため、2024年5月よりセイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入しました。電子契約導入の経緯と導入効果について、島根銀行 次世代バンキングシステム構築プロジェクト推進室 副室長 清水一哉様にお話しを伺いました。

課題

  • 融資の契約手続き全般において、事務負担の軽減が必要。
  • 近隣行で既に電子契約が導入されている。
  • お客様へのDX推進とともに当行のDXも進めていきたい。

導入効果

  • 住宅ローン8割が電子契約に。
  • 契約手続き全般の事務の効率化が図れた。
  • 電子契約手数料という収益の確保につながる。

1.【導入の背景】お客様にもDX化をご提案

──島根銀行について教えてください。

島根銀行は 1915年(大正5年)に松江相互貯蓄株式会社として設立されました。1989年(平成元年)に普通銀行に転換し、株式会社島根銀行に商号変更し、2024年で設立109年を迎え、地元では「しまぎん」の愛称で親しまれています。

当行では、企業にとってデジタル技術を活用した業務の変革、いわゆるDXが地域活性化につながると考えています。SBIグループとの連携のもと、事業を営むお客様に請求書や経費精算、勤怠管理などのDX化のご提案など支援に取り組んでいます。そのためにはまずは、当行が率先してデジタルシフトを進めることが不可欠と考え、しまぎんアプリのリリースや、スマートフォン支店「しまホ!」の開設など、お取引のデジタル化を進めています。中でも個人向け無担保ローン商品では、申し込みからご契約までをWebで完結する商品を多数ご提供し、来店の手間を省くなどお客の利便性を高めるとともに、当行のDX化も進展させています。そして2025年7月に予定している「地域金融機関向けクラウドベースの勘定系システム」への更改は、こうしたデジタルシフトの心臓部となるものです。

島根銀行の住宅ローンのWebサイト
島根銀行の住宅ローンのWebサイト

2.【導入の経緯】関連保証会社から紹介される

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入された経緯を教えてください。

デジタルシフトの一環として、電子契約についても検討しており、住宅ローンとプロパーの証書貸付での導入を考えていました。その背景としては、融資の契約手続きにおいて、契約締結後に契約書類の写しを交付するなど、契約後の事務負担も含めた契約手続き全般の負担軽減が必要と考えていました。また、近隣行において既に電子契約が採用されており、一部のお客様からは当行でも電子契約ができないか、との声が届いていたことも挙げられます。

 

そんなときに「電子契約を検討してみませんか」とセイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を、当行関連保証会社の中国総合信用株式会社から紹介されました。最初に話があったのは2~3年前になると思います。ただ、すぐに手をつけることができず、具体的に動き出したのは2023年の秋頃です。

── 電子契約に関しては、「融資クラウドプラットフォーム」と他のシステムとの比較検討はされましたか。

関連保証会社から紹介でしたし、セイコーソリューションズと既におつき合いがありましたので、他のシステムとの比較検討は行っていません。

住宅ローンでの導入を前提に検討していましたので、そもそも電子契約を導入するには、保証会社から了解を得る必要があります。今回はその保証会社から紹介でしたので、他のシステムを検討して、保証会社に一から了解を得るのは非効率と考えました。

3.【導入の決め手】金融機関での豊富な導入実績

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入された決め手を教えてください。

  1. 金融機関での豊富な導入実績

全国の金融機関での導入実績が豊富にある点を評価しました。紹介してくれた中国総合信用でも活用されていますし、普段から情報交換をしている金融機関も導入していました。その金融機関からは、導入の経緯、運用開始後の状況、事務の取り扱いの変更内容を具体的にヒアリングすることができ、大変参考になりました。

 

  1. 「住宅ローン」と「プロパーの証書貸付」を同時に取り組む

これは上記の金融機関でのヒアリングの成果ともいえますが、当行では当初「住宅ローン」を先行させて、「プロパーの証書貸付」はその次に導入する予定を立てていました。ただ、先の金融機関でのヒアリングで同時に取り組まれた内容を詳細に知ることができ、当行でも同時に取り組むことが可能と判断できました。セイコーソリューションズの他の金融機関の導入事例の中にも同時に取り組んだ例もあり、参考にさせてもらいました。

 

  1. 地域顧客になじみがあると判断

近隣の金融機関でも既に「融資クラウドプラットフォーム」を導入して、活用しています。それであれば地域のお客様の認知度が高く、使用経験があるお客様にはなじみやすいのではないかと判断しました。

── 「融資クラウドプラットフォーム」の導入はスムーズに行えましたか。

2024年年明けから導入を進めました。システムの設定に関しては、説明をお聞きして、こちらの要望を伝える程度でした。

行内ではどういう流れで電子契約まで持っていくのかについては整備し直しました。契約前のお客様への説明、契約後にどういう書類をお客様にお渡しするのか、といったルール決めとともに、電子契約用の契約書類の作成も行いました。契約書類についても、例えば今まで3つに分れていたものを、電子契約で 1つ署名すれば全部済むように見直しました。

また、今まで契約書のサイズはA3判で作成されていましたが、ご家庭のプリンターで印刷できるように、A4判としました。

 

行内での勉強会は、リモートで実施しました。また、セイコーソリューションズに導入前にテスト環境を提供してもらい、約1ヵ月営業店で使ってもらえるようにしました。この間に触って慣れた行員からは、導入後に質問は来なかったと思います。

このようにして2024年5月から「住宅ローン」と「プロパーの証書貸付」において、電子契約を導入し運用を始めました。

4.【導入の効果】住宅ローンの8割以上が電子契約に

── 「融資クラウドプラットフォーム」の導入効果を教えてください。

  1. 住宅ローンの8割以上で電子契約を利用

運用を開始して3~4ヵ月で、住宅ローンの8割以上が電子契約を利用しています。開始前の予測では同時期で6割程度と見込んでいましたので、想像以上に利用が高まっています。多分、住宅ローンを申し込む方は40代くらいまでの比較的若いお客様が多く、スマートフォンの活用に慣れていることも一因かもしれません。

プロパーの証書貸付については、一度電子契約を行ったお客様からは、印紙税負担の軽減と押印手続きの不要から次回も電子契約を望まれることが多いようです。

 

  1. お客様からは印紙不要、負担削減につながったとの声

住宅ローンで電子契約を利用することで、お客様の印紙代の負担がなくなります。このことは多くのお客様がメリットと感じてくれているようです。

一方で当行では電子契約手数料をいただくことができますので、収益の向上にもつながります。

 

  1. 契約事務の効率化につながる

これまでは契約書類の写しを持参または郵送していましたが、電子契約しなかった書類もPDF化して、電子契約した書類と一緒に電子契約システムで送ることができるようになり、契約事務の効率化が図られました。

また、お客様との契約手続きでも、契約内容の説明は紙でも電子でも必要ですが、その後の手続きはその場でもできますし、お客様のタイミングでも可能です。お客様にとっても、改めて複数枚の契約書に署名・押印するという機会を設ける必要がなくなり効率的だと思います。

5.【今後の期待】営業店からの好評の声が大きくなる提案に期待

── 「融資クラウドプラットフォーム」の今後の活用予定を教えてください。

現在は、住宅ローンとプロパーの証書貸付について電子契約の対象としていますが、今後としては、信用保証協会保証の証書貸付も対象としたいと考えています。これによりお客様の利便性がさらに向上するものと期待しています。

 

また、「地域金融機関向けクラウドベースの勘定系システム」への更改後になりますが、融資の決裁を入れると自動的に電子契約書類が作成されるような連携はできるのではないかと考えています。その際にもまたサポートをお願いいたします。

鳥取銀行本店外観
鳥取銀行本店外観

── セイコーソリューションズ並びに「融資クラウドプラットフォーム」への期待、リクエストなどありましたらお聞かせください。

今は電子契約をしても、お客様のお名前が出るだけなのですが、お名前の横に名字の印影が出るようになると、より紙の契約書に近いイメージ、契約をした感覚に近づくのではないかと考えています。可能でしたらご検討をお願いします。

営業店からは電子契約システムを使ってみて、操作に慣れると使いやすい。あるいは紙による契約より楽で便利との評価が届いています。こうした声がさらに大きくなるようなご提案とサポートに期待しています。

 

島根銀行様、
本日はお忙しい中、貴重なお話しをありがとうございました。

お客様プロフィール

◎島根銀行

URL https://www.shimagin.co.jp/

※ 取材日時 2024年9月

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